moiの日記 おまけ

映画と本  時々 ハリネズミ

映画 『 變臉(へんめん) この櫂に手をそえて 』

 

f:id:maimoi1231:20150218173005j:plain

 

 
1996 年の中国映画。
 

古い映画だけどすこしも色あせていない。

河を流れていく舟がとても印象的で、その舟のなかで生活をする老人は、歌劇 〝變臉〟(へんめん)の名人。

彼は、後継者として買った男の子を溺愛するのだけれど、

小さなその子を愛しんで慈しんで接する姿が、ほんとうに幸せそうで泣けた。

小さな手で、背中を掻いてもらうシーンがあって、

孫の手がどんなに彼の心をあたためたか、伝わってくる。

 

しかし、男の子と思っていたその子は、実は女の子だった。

老人は心根の優しい人だけど、

自分の芸の技を絶やしたくない、( 女子には継承しない )というところで、深い落胆があって、冷たく態度を一変させた。

もう一度彼に愛されたいと、いじらしいほど頑張る女の子の姿に胸を打たれる。

 

昔の中国はこんな風だったのかな。

悠々と時がながれている。

残された時間がわずかな老人と、これから育っていく幼い子どもの、両者に重なる時間の密度はすごく濃い。

縁があって、愛し合った人とも、いつか別れなくてはいけない。

すれ違いでも、死別でも。

それがまっすぐに伝わってくるから、この映画をみると泣きたくなるのかなと思った。

 

 

f:id:maimoi1231:20150508094031j:plain

 

 

 

*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…..