漫画 『 おふろどうぞ 』 渡辺ペコ
おふろっていいね。
実家が阿蘇山の麓なので、帰省するとほぼ毎晩、母と温泉にいく。
田舎のおばちゃん、おばあちゃんたちの裸の大らかさ、なじんだ方言のなんともいえないもっちゃりした響き、湯けむりのなかゆらゆら揺れて、
肩まで温泉にそっと浸かると、ああ、帰ってきたぁと体が落ちつく。
母と電話していて、よく行っていた温泉が地震のため営業停止したと聞いて、胸がズキンと痛んだ。
気持ち良いものと、痛みは、すぐ裏表にあって、そんなことを思い出す幾つかの短編。
第6話〝 連れ込み風呂 〟の、
「ちょっと恋しいけど でも もう いいわ」
「喜びも楽しみも もうじゅうぶん もらったもの」
という言葉がよかった。
「 もう じゅうぶん もらったもの 」
消化して、生きていくのがいいなと思った。
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