映画 『 サムソンとデリラ / Samson and Delilah 』
samsonanddelilah.blog.indiepixfilms.com
アボリジニの少年サムソンと、
祖母の看病をしながら、アボリジニの伝統的な点描画を描いている少女デルタの話し。
セリフがとても少なくて、
サムソンの、君が好きだアピールが、
自分のマットレスを持って、黙ってデルタの家の庭に引っ越してくるような、
分かりやすさ。単純な行動をいいなと思った。
看病をしていたデルタの祖母の死をきっかけに、
おなじ居住区のおばさんたちから理不尽な暴行をうけたデルタは、
サムソンとふたり逃げるように都会にでて、
橋の下で生活をはじめる。
辛いのでどんどん無気力になり、(シンナーのかわりに )ガソリンを吸い続けて廃人のようになっていくサムソンと、
アボリジニに対する差別、搾取、無関心を一身に受けるデルタ。
なんとか絵を描いて糧を得ようとするデルタを、次々と苦難がおそう。
なかなかどうして、救いが見当たらない。
いい映画で、
どこが?と聞かれたら、 幼稚だとおもっていたふたりの絆の深さ。
お互いを見捨てないのだけど、
そうする他ないから、という状況で、二人の心根がいい。
マイノリティーの人を軸にした映画は、撮る側が観る側のために、
どこか似非っぽい、偽善っぽい落としどころをつくったりするのだけれど、
そういうのがあまりなかった。
乾燥した音楽と、赤茶けた土や岩の広がる景色で、
ストーリーはまったく違うのだけど、
「 クリムゾンの迷宮 」という小説を思い出した。
選択肢も情報もほとんどないサバイバル。
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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