『 第三の脳――皮膚から考える命、こころ、世界 』 傳田光洋 著
傳田先生の二冊目。
相変わらず読んでいてワクワクする。
皮膚は外側にある臓器である。
傳田先生が発見した表皮こそが皮膚感覚の最前線である、という理論がおもしろい。
触る、触られる、温度、圧力を感じる、ふつうに知られている皮膚感覚の機能以上に、
私たちの皮膚が受け取っている情報の多さよ。
表皮は古くなれば剝がれ落ちて絶えず新しく入れ替わっているのに、色や、電気信号、また刺激に対する快や不快といった認識まで、神経ではなく皮膚の最前線で行われているというのにびっくり。
そう、でも確かにそうじゃないと生き延びられないね。
解剖学者の三木成夫先生の本を一時期はまって読んでいたけれど、
傳田さんの視点からまた解釈を知ると、専門外の自分の理解をはるかに超えていて、もうほんとに自分は牛歩、ちょっとずつすこしずつだけど、こうして新たに知識の密度が増していくのが楽しい。
最後に書かれていた、
目で見た世界では説明がつかないことが、皮膚から考えると理解できる
研究者として定めた軸を真摯に守りつつ、皮膚の未知なる世界へどんどん突き進まれていて、
芸術や、鍼灸といった代替医療なども好奇心をもって研究のアイデアにされてらっしゃるところがすごいなと思った。
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