映画 『 8月の家族たち 』
メリル・ストリープ 大好き!
予告を見て、テンポの良いブラックコメディかなと思ったのだけど、
予想の斜め上をいく映画だった。
バイオレット(メリル・ストリープ )は薬物依存の強烈すぎる母親で、
失踪した夫、三人の娘、親族、果ては教会の牧師まで、
身近にいるすべて人の神経を逆なでして、嘲笑い、暴言と攻撃の手をゆるめない。
それがなかなか痛烈で、
胸をえぐるような言葉は、案外に核心を突いていたりする。
彼女は、
自分のジュクジュクと化膿した傷口に、わざと見せつけるように塩をすり込んでいるみたい。
同じくらい痛みを感じろとばかりに、相手の傷口もえぐる。
それでも、イヤなだけの女にならないところが、
メリル・ストリープの魅力だと思う。
バイオレットの薄皮一枚下に透けて見えるのは、圧倒的な寂しさで、
受け入れることも、家を捨てることもできるけれど、
きっと家族って、同じ湖を共有しているようなものだから、
例えば、岸の端っこと端っこに離れて暮すことになったとしても、
繋がりを解くのは簡単ではないんだなぁと思った。
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