映画 『 アデル、ブルーは熱い色 』
La vie d'Adèle. 3 hours in 3 minutes.
教師を目指す高校生アデルは、運命的に出会った画家エマに魅了され、
情熱的に愛し合うようになる。
数年後、念願の教師になったアデルは、アデルをモデルに絵を描くエマと一緒に住み、
幸せに満ちあふれた生活を送っていた。
しかし、エマの作品披露パーティーをきっかけに、少しずつ二人はすれ違っていく
『ミッドナイト・イン・パリ』 の、パリの本屋のお姉さん、
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』 の女殺し屋、
『美女と野獣』の美女 、
そして、『007 スペクター』 の、ボンドガール
レナ・セドゥの顔と雰囲気がすごく好きで、
ストーリーにはとくに惹かれなかったんだけど、借りてみた。
すごくいい映画だった。
女の子同士の本気なセックスシーンが話題だったそうで、
好きな人を見つめる、戸惑う、揺れる、ふとこぼれ落ちる自然なアデルの表情がとても魅力的だった。
たまたま好きになった人が女性だったというアデルと、根っこからレスビアンのエマの、細かいズレの描き方も丁寧で分かりやすかった。
印象に残ったのは、
アデルが、画家のエマ(レナ・セドゥ)と別れるところ。
アデルはあまり感情表現が豊かな方ではないんだけど、もう心の底から悲しんで泣くもんだから、
後悔も寂しさもごちゃ混ぜで嗚咽しながら、泣きながら街を歩くところとか、
ぐっときた。
綺麗な人
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映画 『 トランスポーター イグニション 』
冷静沈着に、ワケありの依頼品を送り届ける運び屋 = トランスポーター
死と隣り合わせで、守るのは三つのルール
ルール 1. 名前は聞かない
ルール 2. 契約厳守
ルール 3. 依頼品は開けない
今回は、謎の美女アンナからの依頼
主役が変わってた。
ジェイソン・ステイサムの色気のあるトランスポーターシリーズが好きだったのに!
と思ったけれど、エド・スクレインもかっこよかった。
アクション俳優さんが好き。
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映画 『 パプーシャの黒い瞳 』
幼い母親から、人形(パプーシャ)と名付けられたジプシーの赤ん坊は、
少女になり文字に興味を持つようになる。
文字は、ガジョ( ジプシー以外のよそ者 )の呪文、悪魔の力だとジプシーたちは忌み嫌ったけれど、
パプーシャは、街の白人に読み書きを教えてほしいと頼み、文字を覚えてしまう。
15才で年の離れたジプシー演奏家と結婚、
彼女の詩の才能を発見した、詩人イェジ・フィツォフスキとの出会いと別れ、
本を出版したことでジプシー社会から追放されるなど、
激動の人生を歩んだ、実在のジプシー詩人 プロニスワヴァ・ヴァイスの物語。
映画『オーケストラ!』 の陽気なジプシーたちと、
パリを旅行したときに、スリだから気をつけてと、嫌われていたジプシー。
ジプシーになぜか惹かれる。
酒場で演奏をして、留置所に一族ごと入れられても、歌い踊り続けているところはとてもおもしろかった。
ひとりの看守が頭をかかえる横で、あまりに楽しそうに音を奏でるので、もう一人の看守はちいさくスウィングしている。
物語は、ジプシー達を強制的に定住させる政策が施行された後へと続く。
文字は、ジプシーのつらい歴史を残すものだからといって嫌う、
パプーシャがよそ者のガジョに、ジプシーの誇りを売ったと長老たちは怒る。
ヨチヨチ歩きのときから細胞に染みこんでいる、民族のリズム、音、
共有している感情や言語は、我々のもの、
という強い集団意識と閉塞感が伝わってきた。
日本語独特の響きにも、近いものがあると思う。
モノクロで静かで、好きな映画。
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映画 『 カイロ・タイム 異邦人 』
女性誌の編集者ジュリエットは、パレスチナで働く国連職員の夫と休暇を過ごすために、初めてエジプトのカイロを訪れる。
仕事の都合で、大幅に到着が遅れることになった夫の代わりに、
夫の部下だったエジプト人のタレクが、街を案内することに。
ジュリエットの身のこなしも佇まいも、洗練されて品があって、
さじ加減というか、道理をわきまえている大人同士のやりとりが素敵。
異国で、タイムリミットがある。
その状況で、相手への好意と好奇心が芽生えることは自然にあるだろうし、
だからといって安易に愚かなことをしない、
二人に想像力と知性があるので、ハリウッド的恋愛の雑さは皆無。
仕事でピラミッドへ行った友人がいて、
コウモリ除けの防護服の話が印象に残っていた。
エジプトの、 景色がとても綺麗な映像を見れて良かった。
街並も、暮らす人々も、自分もそこを旅をしているような気分になった。
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映画 『 イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 』
第2次世界大戦時、
天才数学者アラン・チューリングが、人間には解読不可能といわれていたナチスの暗号エニグマを読み解いていくというのが主軸。
アラン・チューリングを演じた、
主演の ベネディクト・カンバーバッチ がハマり役で、
戦争を終わらせるために、命の取捨選択をしなくてはいけない惨さや、
罪とされていた同性愛者である孤独、
心の奥に沈めて蓋をした愛や寂しさとかが、
じわっと滲んでいて、とにかく切なかった。
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映画 『 サムソンとデリラ / Samson and Delilah 』
samsonanddelilah.blog.indiepixfilms.com
アボリジニの少年サムソンと、
祖母の看病をしながら、アボリジニの伝統的な点描画を描いている少女デルタの話し。
セリフがとても少なくて、
サムソンの、君が好きだアピールが、
自分のマットレスを持って、黙ってデルタの家の庭に引っ越してくるような、
分かりやすさ。単純な行動をいいなと思った。
看病をしていたデルタの祖母の死をきっかけに、
おなじ居住区のおばさんたちから理不尽な暴行をうけたデルタは、
サムソンとふたり逃げるように都会にでて、
橋の下で生活をはじめる。
辛いのでどんどん無気力になり、(シンナーのかわりに )ガソリンを吸い続けて廃人のようになっていくサムソンと、
アボリジニに対する差別、搾取、無関心を一身に受けるデルタ。
なんとか絵を描いて糧を得ようとするデルタを、次々と苦難がおそう。
なかなかどうして、救いが見当たらない。
いい映画で、
どこが?と聞かれたら、 幼稚だとおもっていたふたりの絆の深さ。
お互いを見捨てないのだけど、
そうする他ないから、という状況で、二人の心根がいい。
マイノリティーの人を軸にした映画は、撮る側が観る側のために、
どこか似非っぽい、偽善っぽい落としどころをつくったりするのだけれど、
そういうのがあまりなかった。
乾燥した音楽と、赤茶けた土や岩の広がる景色で、
ストーリーはまったく違うのだけど、
「 クリムゾンの迷宮 」という小説を思い出した。
選択肢も情報もほとんどないサバイバル。
- 作者: 貴志祐介
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映画 『 ライムライト 』
名作。
Wikipedia から抜粋しました。
チャップリンに関して伝えられる物語の一つに、
彼が子供の時に見た食肉処理場から逃げ出した羊の話がある。
周囲の人間は慌てて羊を追いかけるのだが、
羊も必死で逃げるから羊も人間も右往左往、あちこちぶつかってはひっくり返った。
そのおかしな光景に周りの人間は腹を抱えて笑ったが、
やがて羊がつかまえられたとき、「あの羊殺されるよ・・・」と、
泣きながら母のもとに走って行った。
喜劇と悲劇が紙一重になっているチャップリンの作風の原点となっている。
(『自伝』より)
紙一重のなかに、光と闇もどちらもあるのに、
映画のなかに深い深い優しさがある。
この時代の丁寧な柔らかい物腰も、好きなところ。
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