映画 『 Mommy / マミー 』
映画『Mommy/マミー』グザヴィエ・ドラン監督 予告編 4.25公開
振り向くと、10代、20代はすこしずつ遠くなっていて、
それは、手をかざしていた焚き火の熱さから、ゆっくりと離れるような気持ちに似ている。
自分とも、他人とも、
火傷の痛みを繰り返して、距離感を学ぶ。
親になるというのは、
子どもが抱えて生まれてくる火に、まず一緒に近づかなくてはならないのかも。
身を切るような決断も必要で、
遠くの傍観者でいるのは難しい。
制御できない感情は、
管理できない火と同じくらいこわい。
15才の注意欠如・多動性障害のスティーヴ少年の抱えている火は、
制御不能の激しさを持っていて、
周りの大人は、何度もその火に巻きこまれて心に大火傷を負う。
その熱は、時にとんでもなく優しく母の心をあたためる。
後半、かなり盛りこみ過ぎてる感があったけど、
グザヴィエ・ドラン監督が、どのシーンも切り捨てられなかったのも分かる気がする。
映像も音楽もかっこよかった。
自分の火傷の記憶を、
誰もがどこかのシーンに見つけられると思う。
真っすぐな感情が突き刺さってくる、雨のシーンが良かった。
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